マニアックな音楽扱いされる平沢進、谷山浩子、ZABADAKについて語る

昔から活動されているため熱心なファンはいるものの、個性的な作風から何かとネット空間ではマニアックな音楽扱いされたり、ネタにされやすい音楽家たち。 むしろネットだからこそ話題になったりもするのだが苦笑

 

今回はそんな愛すべき3アーティストを語る。比較しつつ、それぞれの傾向と音楽的ルーツを掘り下げて分かりやすくまとめてみた。

 

♦️傾向

平沢進...ディストピア的。神話的。寓話的。

谷山浩子..ジュブナイル的。時たま寓話的。

Zabadak..牧歌的。大衆的。旅人の手記のよう。

 

♦️それぞれの音楽的ルーツ

平沢進...60年代~70年代のプログレアンビエント(ピンクフロイド、キングクリムゾン、イエス、タンジェリンドリーム、ピーター・ハミル等)。また70年代からのニューウェーブ、パンクムーブメントから受けた衝撃は彼の音楽性を変えてしまう。 

 

谷山浩子...60年代~70年代のポップス、ロック、フォーク(ビートルズ、ドアーズ、小室等)。ビートルズの歌詞の自由さに感銘を受けたとのこと。

 

Zabadak...60年代~90年代のプログレ、トラッドミュージック(ケイト・ブッシュマイク・オールドフィールド、各地の民族音楽、クラシック等)

 

♦️共通点

平沢、谷山、zabadakの共通点は三者とも宮沢賢治の影響が見られる点だろうか。宮沢賢治を題材にとった曲や擬音のオマージュが見られる。

 

平沢、谷山の共通点は夢や無意識に関心があり、

夢日記をつけていた点だろうか。また独自の価値観を持つことから既存の価値観への対峙が初期の作品から現在まで一貫して見られるのではなかろうか。また二人とも英国のコメディ集団モンティ・パイソンのファンである。 

 

♦️影響を受けた文学作品や思想

平沢進...SF文学等。音楽の題材として用いられた作家には「1984」のジョージ・オーウェルや「デューン」のハーバート、カート・ヴォネガットスタージョン等がある。

奇人で天才だった発明家ニコラ・テスラや作家の

宮沢賢治への傾倒も見られる。またニューエイジ思想やユング心理学にも造詣が深い。現在はビーガンである。

 

谷山浩子...ファンタジー文学、SF文学、恋愛もの、漫画作品、ゲームなど多岐にわたる。特に「不思議の国のアリス」のルイス・キャロル宮沢賢治への傾倒が見られる。

趣味に対して熱しやすく覚めやすい性格だそうで、その性格があらゆる知識を蓄積し新たな世界を産み出す源泉になっているのかもしれない。

 

zabadak...ギタリスト、作曲、ボーカルを努めた吉良知彦はSF文学(ブライアン・オールディス作品)やファンタジー文学(鈴木光司作品)からインスピレーションを得た曲があると言及している。

元々はサポートメンバーで途中から正式なメンバーとなる小峰公子(作詞をよく努める)はロシア映画の巨匠タルコフスキーからの影響を語っており、「映画のような音楽を作りたい」と発言している。

 

また新しい情報が得られたら追加していく。