アウトサイダーの居場所づくりとしてのカルト。麻原からマンソンまで。

なぜ、カルト集団が生まれるのか。

 

それは教祖となる人物がそのよう

な組織を作るからに他ならないが、

それは教祖本人が社会にうまく

コミットできず、自らの居場所

として組織を作るのではないか。  

 

麻原は幼少期、目の障害から、自宅

を離れなければならなかった。それが

家族から引き離された悲劇の経験とし

て彼には知覚された。その喪失感はやが

て大きな「家族づくり」すなわち『オウム

真理教』創設へと繋がっていった。

 

アメリカのチャールズ・マンソン

責任感のかけらもない若い両親から、

生まれ、養子に出されてからも転々

とたらい回しや虐待を経験している。

 

そういった経験から「自分の真の家族」へ

の渇望は生まれてきていたのかもしれない。

彼もやがて『ファミリー』という組織を

創設している。そのまま直訳で家族だ。

この悪名高いカルト組織は皆さんもご

存知の通り『マンソンファミリー』と

呼ばれるようになる。

 

カルトの教祖となる人物は、大川隆法

のように金持ちでエリートな人の道楽

の場合を除いて、社会にうまくコミット 

できず、疎外感や喪失感を強く感じて

いるアウトサイダーな人物であること

が往々にしてあるのだ。

 

大人になった彼らはやがて、意識して

か無意識のままかはともかく通常の家族

の規模を遥かに超えた、スケールの大き

な『家族』を作り、自らが社会の主流に

取って変わろうとする。かつて自らが

『社会』や『家族』に排除され、疎外

されたからこそ組織外の人間を『殺し』

『排除』するのだ。これは彼らなりの

社会への復讐なのかもしれない。